perio歯茎から出血する・口臭がする
~歯周病~

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勝どき・月島の歯医者「ミモデンタルクリニック」
院長・三本の歯周病治療のおはなし

歯周病とは、お口の中の二大疾患です。この病気の恐いところは、ゆっくりと自分が気付かない内に、無症状のまま進行していく病気です。歯茎から臭いにおいがする、血が出てくる、嫌な味がすると言った、自分が分かってしまう症状が出てきた時には、重症の場合がほとんどです。毎日きちんと歯ブラシをしていても遺伝的な問題、唾液の性質など内面的な問題から発症します。歯を抜く原因となる前に、当院での口腔ケア、メンテナンス管理を定期的に受診する事をおすすめいたします。

歯周病の症状と検査方法について

歯周病とは歯肉炎と歯周炎に分けられます。その判断基準は歯周病ポケット検査によります。歯周ポケットとは、歯と歯茎の隙間の深さの事を指します。その深さをmm単位で1歯1歯測定します。健常者の歯周ポケットの深さは2~3mm以内で、この数字以上の測定値が認められる場合は歯周病の疑いがもたれます。また、歯周ポケット検査時に出血する個所(BOP)も異常があると判断されます。近年では歯周ポケットの深さに加え、この出血する個所(BOP)の方も重要視されております。

歯周病治療で重要な検査とは

プロービング検査

プロービング検査

歯周ポケットの深さを測定することをプロービング検査と呼び、歯周病の基本的且つとても重要な検査です。測定を行うには目盛りのついたプローブと呼ばれる針状の金属製の器材を歯と歯肉のすき間に差し込みます。25g程度と非常に軽い圧しか加えませんので、痛みはほとんどありません。

プロービング検査

画像のようにプローブで深いポケットがないか検査をして記録していきます。

  • 0-3mm :正常、歯肉炎、または軽度・・・・P1
  • 4-6mm :中等度歯周炎・・・・・・・・・・・・・ P2
  • 7mm以上 :重度歯周炎・・・・・・・・・・・・・・・ P3
出血箇所のチェック

プロービング検査後に出血部位の有無を調べます。検査時に出血する個所(BOP)は歯周病のその時点での活動状況を示します。出血箇所が多い場合には、歯周病は活動的で進行傾向にあると考えられます。

  • 0%~10%・・・正常、歯肉炎、または軽度 (リコール間隔-4ヶ月)
  • 10%~25%・・・中等度歯周炎(リコール間隔-2ヶ月)
  • 25%以上・・・重度歯周炎(リコール間隔-1ヶ月)
動揺度のチェック

動揺度のチェック

健常な歯は動きませんが、歯周病の進行に伴い歯牙が動くようになります。動きの程度(動揺度)を調べることで、歯周病の進行度が分かるようになります。

生物学的幅径の重要性とは

生物学的幅径の重要性とは

適正な歯茎の厚みのことを生物学的幅径(Biologic width)といいます。その厚みが歯周病菌や虫歯菌によって炎症を引き起こしやすい状態になると、歯ブラシを当てると痛みが出たり、汚れが溜まりやすかったりせっかく精度の高い被せ物をしても長持ちしません。

健康な人の場合

健康な人の場合

生物学的幅径(Biologic width)
が破壊されている人の場合

生物学的幅径(Biologic width)が破壊されている人の場合

フェルールの確保

フェルールの確保

フェルール(被せものが自分の歯を覆う部分)がほとんど残っていない場合、噛む力に歯が耐えきれず、歯にひびが入ったり、歯の根が割れたりする歯根破折のリスクが高まり抜歯を余儀なくされます。

歯冠長延長術

歯冠長延長術

ガミースマイルは個性あるチャームポイントとして前面に打ち出す方々もいますが、一般的に多すぎる歯ぐきの露出は審美という観点からは少し外れていると言われます。歯冠長延長術(CLP)は、歯の大きさが小さいことでガミースマイルを生じている場合に適応される治療法です。また、歯の大きさは通常でも、歯ぐきが歯に覆いかぶさっていることでガミースマイルを生じている場合にも適用されます。歯冠長延長術は、上唇粘膜切除術(LIP)やセラミック矯正といったほかガミースマイル治療とも併用されることが多い治療方法です。

歯周病悪玉菌とレッドコンプレックスについて

歯周病悪玉菌

腸内細菌に悪玉菌や善玉菌があるのは皆さんよくご存じのことかと思います。口の中で言う悪玉菌とは歯周病菌や虫歯菌のことを指します。お腹の悪玉菌も、口内の歯周病菌や虫歯菌もゼロにはできませんが、体の中には良いものと悪いものの両方がありバランスをとってコントロールをすることは可能です。歯周病菌についてもすべてが完全に科学で解明されているものではありませんが確かに歯茎にとっては悪影響を及ぼす脅威といえます。そこで大切なのはうまく歯周病菌と付き合っていくことで、歯周病菌が常に口の中にいたとしても悪さをしないようにコントロールできればまったく問題はありません。「体の免疫が歯周病菌に対応できるぐらいの量」に抑えおく、すなわち歯周ポケットが深くならないようにして歯周病菌を増やさないようにケアしていきましょう。

レッドコンプレックス

レッドコンプレックス

歯周病のマイクロビオーム(歯肉縁下細菌叢)を病原性の違いによって6つに色分けする中で最も病原性が高いといわれている細菌の種類のレッドコンプレックスには、P.gingivalis、T.forsytia、T.denticolaが含まれる。細菌検査でレッドコンプレックス(とくにP. gingivalis)がいるかどうかが、病原性の高い歯周炎かどうかの分かれ目となる。

その症状は歯周病の可能性があります

「歯茎が腫れる」「歯みがきのとき、血が出る」などの症状はありませんか? もしかしたら歯周病かもしれません。歯周病は心臓病や肺炎などにもつながる恐れのある病気。そのまま放置せず、勝どき・月島の歯医者「ミモデンタルクリニック」にご来院ください。

全身に影響を与える歯周病

心臓病 歯周病菌が血管から侵入し血栓をつくることがあります。これにより、動脈硬化、心筋梗塞などの心臓病を引き起こされることがあります。
肺炎 細菌が唾液とともに器官に入ることで誤嚥性肺炎が起こることがあります。
糖尿病 糖尿病の方は歯周病になりやすく、歯周病の方は糖尿病が悪化しやすくなります。
早産
低体重出産
歯周病菌が陣痛に似た筋肉収縮を引き起こすため、早産や低体重児出産が起こりやすくなります。

今すぐ歯周病リスクチェック

歯茎が腫れる
歯茎から血が出る
起きたとき、口の中がねばねばする
口臭がきつくなった
歯が長くなったように見える
歯茎がむずむずする
歯茎から膿が出る
歯がぐらぐらする
「はい」がない方
歯周病の可能性は低いといえます。しかし、油断は禁物です。歯周病は自覚症状がなくても進行する病気。予防歯科や日々のブラッシングを怠らないようにしましょう。
「はい」が1~3個の方
初期の歯周病かもしれません。まだ痛みはないかもしれませんが、早めに歯科医院に行き診察してもらうようにしましょう。
「はい」が4~7個の方
中期の歯周病の可能性があります。放置しておくと症状は進行していきます。早めに治療を受けるようにしましょう。
すべてが「はい」の方
重度の歯周病だとわれます。早急な処置が必須になりますので、出来る限り早く当院へお越しください。

歯周病の症状別治療方法について

歯肉炎・軽度歯周炎

歯肉炎・軽度歯周炎

【動揺度0~1】
歯茎に炎症が起き始めています。歯みがきの際に出血したり、冷たい物がしみたりしますが、普段の痛みはありません。歯周ポケットは少し深くなっています。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

治療法
歯みがき指導 患者様のお口にあった歯みがきの仕方をお伝えします。
スケーリング スケーラーという器具で歯と歯周ポケットの間の歯石を取り除きます。

この時期に歯周ポケットの数値が高い場合であっても仮性ポケットであり、歯ブラシを徹底して行っていけば大いに改善させることが可能です。

歯肉炎・軽度歯周炎

仮性ポケットと真性ポケットの違いに少しお話しておきます。仮性ポケットとは歯肉の炎症により腫脹して見かけでは歯と歯の境目が深くなるポケットのことで、歯と歯肉の付着部は破壊されてはいない状態です。真性ポケットとは歯周炎などで歯周組織が歯の表面から剥がれてしまったり歯を支える骨が欠損したりしてできたポケットのことで、骨縁(骨の一番高い位置にある部分)よりもポケット底部が上にある骨縁上ポケット、ポケット底部よりも下にある骨縁下ポケットに分類されます。

中等度歯周炎

中等度歯周炎

【動揺度1~2】
この中等度の歯周炎になりますと、患者さん自身での症状を自覚が出てきます。
歯周病の炎症が顎の骨まで達した状態で、歯茎の腫れや出血が目立ち始めます。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

治療法
ルートプレーニング 歯周ポケットの奥にある歯石やプラークをかき出します。
歯周ポケット掻爬(そうは)術 局所麻酔を打った後、歯石や膿に感染した組織を除去します。

従来の歯周病の考え方は、歯周病に付着した歯石を除去し根面を滑沢化にする事を目的とした術技が行われてきたが、現在の考え方は歯石除去を目的とする訳ではなく、汚染(感染)された歯肉部位(ICT=Infection Connective Tissue)を取り除くデブリードメントを中心とした考えを基に治療を行います。

重度歯周炎

重度歯周炎

炎症が悪化し、顎の骨を溶かしている状態です。歯茎が膿んでいてひどい痛みを感じます。最悪の場合、歯が抜け落ちることもあります。軽~中等度までの歯周治療を歯周基本治療という。重度歯周病になると、これまでの一連の歯周基本治療が最低限必要とされます。

歯周組織再生法

GTR:以前は、メンブレン膜を使用し失われた組織を被覆し、歯周病菌の侵入を防ぐ事で新生骨を再作製する手術が行われていたが現在はあまり推奨されていない。メンブレン膜を取り除くなどの二次手術が必要とされることも。

エムドゲイン:現在は豚の中胚葉由来の再生有効成分を使用し、メンブレン等の膜を使用する必要がなく失われた歯周組織を綺麗に消毒した後に行います。二次手術が不要で手術も比較的簡単に行う事が出来ます。

リグロス法:術式はエムドゲインを変わらない。薬液が科学薬品の副作用が少ないメリットがある。

GBR+エムドゲイン:エムドゲイン法にプラスして薬剤に人工骨をMIXさせ欠損骨部位に混合させる方法

※注意 エムドゲイン、リグロスなどの再生療法はどの歯にも適用できる訳ではありません。

骨再生療法

GBR(Guided Bone Regeneration)法:主に、インプラント治療時に行われる外科処置になりインプラント本来を骨の内部に埋入する手術時にはインプラント本体の周囲には少なくても1mm以上の余剰な骨が存在していないと、せっかく埋入したインプラントが数年後にダメになってしまう要因となります。そのため、インプラント埋入手術をする際には骨量がしっかりあるか調べておく必要があります。その検査の結果次第ではGBRといった骨再生療法を必要とするケースも多々あります。

歯周病の治療の流れについて

軽度~中等度の歯周炎の場合

(1)1回目の歯周基本検査を行う(軽度の場合メンテナンスへ移行)
スケーリング(スケーラーと呼ばれる器具を使用して、主に歯の表面の歯石やバイオフィルム(細菌の塊)を除去する処置)
(2)2回目の歯周基本検査を行う。
この検査次第によってはSRP(スケーリングに加えて、ルートプレーニング=歯周ポケット内部の歯石や歯根表面の汚染されたセメント質を除去し、歯の根(root)を硬く滑らかに(planeに)する処置)、歯周ポケットそうは術
(3)3回目の歯周基本検査を行う。(問題なければメンテナンスへ移行する)
精密検査

重度の歯周炎の場合

前述の精密検査次第では歯周外科手術が必要となってきます。
①歯肉弁根尖側移動術 5万
②ウィドマン改良フラップ術 5万
③歯周組織再生療法(GTR 、エムドゲイン、リグロス) 10万
④CTG(Connective Tissue Graft

補足

今までの歯周病について説明は一般的に、歯ブラシなどのホームケアを怠ったことにより、歯周病の感染が原因で歯周疾患を起こすことになります。ただし、パラフィクション(ブラキシズム、タンピング、グライディング)等の悪習へきによる咬合わせが原因で、歯周組織が破壊され歯周ポケットを形成し、そこへ歯周病原菌が入り込み二次的災害的に歯周病になる事もあります。その場合はマウスピースの着用が必要なこともあります。

PICK UP プラークコントロールが大切です
歯周病を予防するためには、プラークを確実に除去するプラークコントロールが必要不可欠です。プラークコントロールができているか否かによって歯周病のなりやすさも変わってきます。ご自宅での歯みがきはもちろん、歯間ブラシやデンタルフロス、歯科医院での予防歯科などを利用し、プラークをなくすようにケアしていきましょう。